nandemopoem

みのまわりにあるものを詠んだ詩

洗濯乾燥機の詩

家の隅に佇む洗濯乾燥機、日常の無言の守護者。
汚れた服を受け入れ、静かな回転の中で彼らを浄化する。
水と石鹸の舞い、渦を巻く泡の中で、
生活の痕跡を洗い流し、新たな日を準備する。

洗濯槽の中では、繊維が密かに語り合う。
汗と泥の物語、涙のしみ、笑いの日の残像。
それらはすべて洗い流され、
乾燥の温風によって、再び息を吹き返す。

この機械はただの機械ではなく、
時間と記憶を織りなす詩人。
服はその詩篇の行間を飾り、
洗濯乾燥機は黙々と、節を紡ぐ。

乾燥サイクルの終わりには、
熱風の中から生まれ変わった衣服が現れる。
それはまるで、夜明けの光の中を歩むように、
清潔という新しい日の始まりを告げる。

洗濯乾燥機は、ひっそりと部屋の一角で働き、
汚れを知り、綺麗を知る。
一日の終わりには、私たちの生活を支え、
静かなる存在感で、もう一日の準備を整える。

この回転する宇宙の中で、
私たちは生活の繊細な織物を信頼して託す。
洗濯乾燥機は、決して前面に出ることなく、
その役割を果たし続ける、家の静かなる詩人。