nandemopoem

みのまわりにあるものを詠んだ詩

ポストイットの詩

ポストイット、それは小さな色彩の舟。
目に見える思考のかけらたちを乗せ、
デスクの海、モニターの岸辺、本のページに
静かに、しかし確かに停泊する。

この軽やかな紙片は、忘れがちな私たちに、
小さなアンカーを提供する。
「忘れないで」と、どこからか文字たちが叫ぶ—
会議の時間、大切な誕生日、ふとしたひらめき。

色とりどりのポストイットは、壁に貼られた虹、
混沌とした思考を整理し、カオスをカラフルに彩る。
それぞれの紙片が独自の物語を持ち、
毎日の生活に微妙なリズムと調和をもたらす。

その一枚一枚は、まるで詩人の短詩のよう。
言葉は少なくとも、意味は果てしなく深い。
急ぎ足の日々の中で、私たちが一瞬立ち止まり、
思考を再び集めるための小さな手がかり。

これらの粘着紙のフロートは、
日々の海を渡る私たちの小舟。
風に飛ばされることなく、確実にメッセージを届け、
ひとつひとつが重要な役割を果たす。

ポストイット—それは日常の詩を綴るためのキャンバス、
忙しい世界の中で私たちをつなぎ止める
小さな、しかし強力な絆なのだ。