nandemopoem

みのまわりにあるものを詠んだ詩

ICレコーダーの詩

手のひらに収まる宝箱、ICレコーダー。
時間の糸を紡ぎ、声を宝石に変え、
言葉の魔法を、静かに封じ込める。

この小さな機械は、見えない彫刻家、
空間を切り取り、記憶を形にする。
喜びの歌も、悲しみの調べも、
すべてを包み込み、永遠に保存する。

人々の笑顔、風のささやき、
流れる川の音、都市の鼓動。
ICレコーダーは、それらを集め、
時間の海に、小さな島を作る。

忘れ去られた言葉を呼び覚まし、
過ぎ去った瞬間を再び生きる。
この機械は、ただ記録するだけでなく、
過去と現在、未来を繋ぐ架け橋。

ICレコーダー、その中には、
無限の物語が息づいている。
手にした人々に、時間を超える旅を提供し、
記憶の風景を、いつでも訪れることを可能にする。