nandemopoem

みのまわりにあるものを詠んだ詩

バスソルトの詩

夜の帳が下り、静寂が部屋を包む頃、
ひとつの儀式が始まる。
水の舞台に溶け込む、一粒の魔法—
それは入浴剤、心の潤滑油。

水面に触れるなり、ひそやかに開花し、
香り高く、色とりどりの花びらを散らす。
湯の中で踊り出す、エッセンシャルの精霊たち、
疲れた心を癒し、静かに抱擁する。

この小宇宙の中、時間がゆっくりと流れ、
体は水に溶け、心は空に浮かぶ。
温もりは深く、静けさは広がり、
ひとときの逃避—美しい隠れ家。

さざ波のように穏やかな、
そして、山間の清流のように清らかな、
お風呂の時間は、日常を洗い流し、
魂を浄化する詩的な旅へと誘う。

ここは、日々の喧騒からの逃避、
心の疲れをいやす聖域。
入浴剤の小さな粒から生まれる、
無限の癒しと静けさの海。